メガバンクの大企業営業と中小企業営業の違い【スキル・年収】

メガバンク

こんにちは、たこすです。

本日はメガバンクの大企業営業と中小企業営業についてです。

メガバンクの総合職にとっての花形部署の一つに大企業営業があります。

銀行の大企業営業と中小企業営業で求められるスキルとはなにか、大企業営業になると年収は変わるのかを解説していきます。

銀行員の9割以上は中小企業から始まる

まず、銀行に総合職として入行すると1年間のOJT期間を経て2年目で営業マンとしてデビューをします。特殊な採用枠でない限り、ほとんどの総合職は中小企業のお客様の営業担当からスタートになります。

担当する会社は100社を超えることも

最初に担当する企業は与信(借入)のない預金取引先が中心で、集金や手形の回収、決済、口座開設などの事務処理を取り次いだりしてスキルを向上させていきます。

スキルがついてくると、先輩が異動するタイミングで与信先を持たされたり、更に担当先が増えていきます。

僕は入行店での取引先の社数は預金先も含めると100社を超えていました。

中小企業営業で要求されるスキル

社長と仲良くなれるスキル

中小企業営業の場合、ダイレクトに社長と会話できるような関係も少なくないです。ここで要求されるのは、いかに社長に気に入ってもらえるかです。気に入ってもらえれば、他行からの借入を全て自分の銀行にシフトしてもらったり、決済口座をシフトしてもらえたりします。

時として社長の判断は合理的ではないため、単純なメリットだけを考えた営業ではなく、何度も足繁く通うような人情に訴えかける能力が要求されます。

仕事を捌くスキル

中小企業担当者はカバーするお客様の数が圧倒的に多いです。そのため依頼される事務量も膨大で、お客さんとの事務の期限設定や期待値のコントロールも重要です。加えて、社内では大量の稟議も裁く必要があり、必要書類の用意などを効率的に行うスキル必要とされます。

大企業営業は中小企業営業の延長線上ではない

実は、中小企業営業を極めても大企業営業で活躍できるとは限りません。なぜなら、大企業営業で要求されるスキルは中小企業営業とは大きく異なるからです。

僕は、中小企業営業で表彰されたエースが大企業営業にデビューして潰れていく姿を何度も見てきました

大企業営業で要求されるスキル

取引先企業内でのネットワーク構築スキル

中小企業営業と違い、大企業営業だと、社長になかなか会えません。企業によっては頭取でも年に一度しか社長に会えない取引先もあります

そのような中で大企業の営業マンが要求されるスキルは社内ネットワークを掌握することです。この案件をどうしたら社長に承認してもらえるのか、キーパーソンを見極めるために経理部にとどまらずさまざまな部署に出入りして情報を収集する必要があります。

業界に関する専門知識

経理部以外の部署はメリットがない限り銀行員とは会ってくれません。そのような部署の人と会うためには会う人がメリットを感じる情報を持っている必要があります。そのためには最低限取引先企業を取り巻く業界がどうなっているのか知っておかないといけません

その知識をもとに、他社がどうしているのか、買収の噂はないのか、銀行内のネットワークをフルに活用して情報提供することで、相手が会ってくれるようになります。

銀行以外の金融知識

日本のメガバンクの営業マンは信託銀行や証券会社のビジネスのハブになることがとても多いです。資金調達の方法は多様化しており、必ずしも借入だけではありません。

自分のお客様にとって、最適な資金調達方法が何なのかを考え抜き、場合によってはグループ会社を紹介するようなことが重要です。銀行以外の商品に明るくないと、このような動きはできません。

銀行役員をコマとして動かす力

中小企業営業だと、交渉や営業は支店長だけで完結しますが、大企業営業は銀行の役員と自分が会ったことない社長がコンタクトをすることもよくあります。その時に銀行役員にどのように動いてもらうのか指示をするのは営業マンの役目です。

お客さんのことを1番よく知っているには営業担当者です。銀行役員と取引先の社長が会うタイミングで言うべきセリフや場面を考えて役員をいかにうまく振り付けられるかが営業マンの腕の見せ所です。

大企業営業のスキルを得るためにやるべきこと

最低限の英語力

大企業で海外進出していない企業はほとんど今の日本にはありません。したがって、大企業の営業マンをしていると必ず海外案件を手掛ける機会が出てきます。

その時に、海外案件に苦手意識を持たないためにも最低限英語力をつけていく必要があります。具体的にはTOEICで730点が基準と言われています。

実際に、大企業営業の部署に異動させるかどうかの判断基準にもされているので、目指すのであればこの英語力はマストです。

最低限の金融知識

大企業営業の場合、大体の企業が上場企業であり、お客さんである財務や経理部の人たちは当然株価もウォッチしています。その際に必要になるのが証券アナリストの知識です。

資格の有無は人事部が見ていないので、資格自体を取る必要はないですが、最低限のコーポレートファイナンスの基礎知識は持っていないと大企業営業でお客さんと共通言語がなくて苦労します

大企業営業になると年収は変わるのか

実は、一切変わりません。大企業営業でも中小企業営業でも同じ年次で肩書きも一緒の場合は全く同じ年収です。

ただし、仕事の内容や要求されるスキルが異なるため、その後のキャリアパスが大企業営業の方が有利に働くため、将来の出世や生涯賃金ベースでは差がつくと思われます。

まとめ

まとめ
  • メガバンク行員の9割は中小企業営業からスタート
  • 担当先はピークで100社を超えることも
  • 必要なスキルは社長の心を掴むスキル
  • 大企業営業で要求されるスキルは中小企業営業と全く異なる
  • 年収は実は変わらない
  • 最終的な出世や生涯賃金には影響する可能性
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