こんにちは、たこすです。
本日は、2020年にメガバンク界隈ではビッグニュースとなった半沢次期頭取について、お話しします。どのような経歴で実際に半沢直樹と関係があるのかについて解説します。
各メガバンク頭取の年収についてはこちら↓
半沢頭取の略歴
出身大学は?
半沢氏は、埼玉県立浦和高校を卒業後、東京大学経済学部に入学しています。
現三菱UFJ、三井住友、みずほの頭取はいずれも東大出身ではないので久し振りの東大出身の頭取になります。
入行年次は?
卒業後、1988年(昭和63年)に当時の三菱銀行に入行しています。
三菱UFJ銀行は複数の銀行が合併しており、その名の通り三菱・東京・UFJ銀行出身の銀行員がいますが、旧三菱銀行が圧倒的に勢力が強く、今の三菱UFJ銀行の取締役のほとんどが旧三菱銀行です。
半沢氏は三菱UFJ銀行で頭取になる条件の一つである旧三菱銀行出身も満たしていたということです。
入行後、4年目には出世ルートへ
入行後の最初の配属は北区の王子支店ですが、4年目には大蔵省(現経産省)に出向しています。
メガバンクは、東大や京大(まれに他の私立大学もいる)出身だと若くして経産省や総務省といった省庁に出向する人がいます。大抵、そういった人たちは銀行に戻った後は中枢である企画部門を経験する形になります。
営業経験は少なめ
半沢氏は企画畑が長い分営業経験が短いです。1番長いのは最初の王子支店しかないのではと思うくらい営業経験が短いです。
2010年に千住支社長に就任後1年後には企画部門に異動となっています。また、2018年に名古屋営業本部長に就任していますが、その後また1年で企画部門に異動となっています。
明らかに、営業の現場での活躍というより営業経験をした実績作りという銀行側の思惑が感じられます。
僕も上場企業のお客さんを担当していますが、ころころ部長が変わることに対しては否定的なお客さんがとても多いです。
13人抜きの抜てき人事?
今回の頭取昇格は副頭取や専務を13人追い抜く抜てき人事と言われていますが実際はどうでしょうか。
現状の三菱UFJ銀行の役員一覧を見ると妥当な人事に見えます。半沢氏以外に三菱銀行出身では頭取の必須経験である企画畑の役員が半沢氏以外には林氏だけ。ただ、林常務は長らく営業経験がなく、その点が減点になったとかんがえられます。タイミングはどうあれいつかは頭取になる人で間違いなかったでしょう。
ちなみに、みずほ銀行の頭取である藤原氏は当時年齢が55歳で若すぎると言われていましたが、半沢氏も現在55歳。銀行の若返りが進んでいると考えられます。
追い越された役員はどうなるのか
さて、半沢氏に追い越された役員たちはどうなるでしょうか。
おそらく大半の役員は関係会社に出向すると思われます。ここではみずほ銀行の頭取が藤原氏になったときの事例を見ると分かりやすいです。下図の通り、各役員は宮崎副頭取を除いて銀行以外へ出向しています。
出向自体が不幸なことでは全くないですが、銀行における出世の道は絶たれるということです。
半沢直樹との関係は?
気になる半沢直樹との関係についても調べてみました。なんと、半沢直樹の著者である池井戸潤氏は半沢次期頭取と同じ1988年に三菱銀行に入行しています。
この点を踏まえると池井戸氏が半沢氏を知っていた可能性が高く、モデルにもなっていたかもしれません。ただ、経歴だけ見ると半沢直樹の経歴とは大きく異なるので、半沢次期頭取の半生というよりは名前だけがモデルになっている可能性が高いです。
半沢氏就任でメガバンクは変わるのか?
個人的には変わらないと思っています。今回の人事自体は確かに若返りにはなっていますが、半沢氏の企画経験の長さや出身が三菱銀行であることを踏まえると順当であることは否定できません。
中枢である企画部門への異動や省庁へ出向する人選の基準が変わらない限りメガバンクが大きく変わることはないでしょう。