こんにちは、現役メガバンク行員のたこすです。
今回も、毎年恒例のメガバンク役員の年収についてまとめてみたいと思います。
前回記事はこちら
3メガバンクの2024年3月期の決算は前期に引き続き非常に好調な決算でした。役員の年収は決算の影響を大きく受けるので今回の決算で1億円プレーヤーの役員がどこまで増えたのかに注目して見てみましょう。
メガバンクの2024年3月期の決算
3メガとも超好決算
まずは3メガバンクの決算を振り返ってみます。
3メガバンクの純利益の合計は約3.1兆円で前期よりも26%も増加しました。各行共に過去最高益を更新しています。また、2025年3月期も増益の見通しで、三井住友FGは発足以来初の純利益1兆円が見えてきました。
好決算の秘密は米国の利上げと海外ビジネス
好決算となっている背景として、米国の利上げ局面が挙げられます。米国金利が高まったことによって、3メガの米国事業における利鞘が拡大したことが決算にポジティブに効いています。
また、もう一つの理由はその他の海外ビジネスです。24年3月期の決算では、三菱UFJ FGは増益幅のうち約3割はアジア関連が占めているのです。他方で、国内の法人・リテール事業は合算してでも15%程度なので、いかにアジアビジネスが三菱の決算を支えているかは容易に想像できますね。
最高益更新のメガバンクの役員報酬
さて、ここからは本題の各行の役員報酬について見ていきましょう
三菱UFJの1億円プレーヤーは14名
まずは、三菱UFJFG。1億円プレーヤーの数はなんと14名!これは前年の9名から大きく増加となりました。14名のうち9名はフィナンシャルグループだけでなく三菱UFJ銀行からも報酬を受け取っている役員なので銀行の強さが際立つ報酬体系となっています。
そして、気になる半沢頭取の役員報酬はなんと3億3千万円!
三井住友の1億円プレーヤーは17名
次に、三井住友FG。1億円プレーヤーの数は圧巻の17名!前年の6名から大幅増加となり、まさかの三菱UFJの1億円プレーヤーの数を逆転する結果となりました。これは、三井住友の方が役員報酬に占める業績連動報酬の割合が大きいことに起因しています。したがって、今後好決算が続く限りは役員報酬面で三菱UFJに勝ち続ける可能性もあります。
なお、福留頭取の年収は2億円なので、頭取の年収だけで比べると三菱UFJの方が三井住友を大きく上回っています。
みずほの1億円プレーヤーは・・・・?
最後にみずほFG。1億円プレーヤーの数はなんと3名!言い間違いではないです。本当に3名しかいないんです。前年の4名から比較するとなぜか1名少なくなっています。
しかも1億円以上のプレーヤーに加藤頭取の名前はなく、昨年と同様に好決算なのに1億円がもらえない頭取となってしまいました。
この要因は、ここ最近の決算ではなく、不祥事があるたびにカットしてきた役員報酬がまだ上がりきっていないということも要因の一つと言えるのではないでしょうか。
ただ、これだけ好決算なのに1億円プレーヤーの数が増えないとなると、当分みずほの冬の時代は続きそうですね。
これからのメガバンクの役員報酬はどうなっていくのか?
気になる今後のメガバンクの役員報酬ですが、こちらについては非常にポジティブと言えるでしょう。これは、メガバンクの決算がこれからも好調が続くと考えているためです。
メガバンクの好決算が続く2つの理由
メガバンクの決算が好調である理由は大きく2つあります。
一つ目は、金利環境によるものです。米国の高金利環境も少し長期化する様相を呈してきています。大企業にとっては打撃かもしれませんが、お金を貸す銀行ビジネスから見ると高金利であることは非常にポジティブです。加えて、主力である日本のマイナス金利も緩和され、徐々に利上げの雰囲気が出てきていることも寄与することでしょう。
二つ目は、新たなビジネス機会です。三井住友FGでは決算IRの時に「ゲタを履いている」と言う発言も見られました。これは、今は相当儲かっていて少し過大評価されている側面があるという認識から出たコメントですが、メガバンクはこの好決算を利用して足元では多くの海外M&Aや大企業との共同出資を推進しています。つまり、新たな儲けの果実を探しているわけです。既に、メガバンクの収益は伝統的な金利ビジネスの比率が5割を切っています。推進する海外M&Aによって新たな成長の果実を手に入れることができれば、より強固なビジネス基盤を確立できることも考えられます。
これらを踏まえると、メガバンクの業績は当面は安泰と言え流のではないでしょうか。メガバンクは最近中途採用も多くなってきているので、是非、この機会にメガバンクの門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。