こんにちは、たこすです。本日はNetflixについて解説していきます。
今ではユーザー数が2億人まで到達しようとしているNetflixがここまで成長するまでに何をしてきたのか、過去にどのような難局があったのか、解説していきます。
Netflixとは
もともとはDVD屋さん
あまり日本では知られていないですが、1997年、NetflixはTSUTAYAのようなDVDの販売とレンタルをするビジネスで創業しました。
当時の彼らの特徴としては店舗を一切持たないオンラインのサービスだったことです。
その後、1999年には、月額15ドル(1,500円)で定額借り放題のサービスを開始して話題になりました。
Amazonからの買収提案
まだ売上の大部分がDVD販売だった1998年、Amazonから買収提案がありました。
創業者のマーク氏はAmazonの提示価格があまりに低かったことから断ったそうです。しかし、今後AmazonがDVDの通販を始めるとNetflixに勝ち目は無いと思い、DVDレンタルサービスに大きく舵を切るきっかけになりました。
ライバルブロックバスターとの競争
2000年代は店舗型のDVDレンタルサービスの最大手ブロックバスターが最大のライバルでした。彼らは全国に7,000店舗を展開していました。
特に脅威だったのが、店舗とネットを掛け合わせたハイブリッド型サービス「トータルアクセス」です。ユーザーはDVDのレンタルは郵送で受け取り、返却時には来店、来店すると無料でDVDがレンタルできるという仕組みを構築しNetflixに対抗してきました。
Netflixは窮地に陥っていたのですが、ブロックバスターのCEOが交代し、オンラインより実店舗への投資を強化する戦略に転換した結果、オンラインサービスの月額が値上がりになりユーザーが減少、2013年には倒産してしまいました。
ストリーミングサービスの開始
2007年、Netflixは今のビジネスモデルであるオンラインストリーミングサービスを開始しました。
当時のNetflixは映画業界やケーブルテレビ業界からなめられていて、古い自社コンテンツを二次利用するだけの会社と認識されており、低価格でコンテンツ提供を受けてました。彼らは旧作を見てもらうことでユーザーが新作にも注目してくれるというメリットもあったからです。
2013年にテレビ業界の歴史を変える出来事
Netflixは次第に自前コンテンツにも投資をするようになり、2013年に配信した「ハウス・オブ・カード」は、ネット配信で初公開されたドラマシリーズとして史上初のプライムタイム・エミー賞を受賞するという出来事がありました。
この辺りで映画業界やケーブルテレビ業界はNetflixを脅威と認識します。しかし、この時点で会員数は4,000万人を超えていました。
Netflixのビジネスモデル
Netflixのコンテンツ投資額
Netflixの最大の強みは他社が真似できないオリジナルコンテンツの豊富さで、今でも莫大なコンテンツ投資を繰り返しており、昨年のコンテンツ投資額は1.4兆円です。
これはNHKの番組制作費の3倍以上にも匹敵し、日本の全てのテレビ局の番組制作費を合計した額よりも大きいです。
オリジナルコンテンツ投資でユーザー数を拡大
ここまで来るとNetflixのビジネスモデルはとてもシンプルになります。
大規模コンテンツ投資→ユーザー数増加→売上高増加→コンテンツ投資額増加といった好循環により、業績が拡大していきます。
顧客理解に基づくコンテンツ制作
NetflixはレンタルDVDの時代からレコメンド機能などの顧客理解の仕組みを強化しており、コンテンツ制作にもこのアルゴリズムを適用しています。ユーザーが求めるようなコンテンツを導き出し、そこに投資を思い切り割り振れる企業文化がNetflixのもう一つの強みです。
日本でそんなに存在感がない理由
Netflixはアメリカでは会員数は7,000万人を超えており、4人に1人が見ていますが、日本の会員数は300万人で人口の3%くらいしかいないんです。
アメリカでは有料放送が当たり前
日本でNetflixが流行っていない理由は日本とアメリカの文化の違いです。アメリカ人のほとんどは元々ケーブルテレビに加入していて、テレビ番組を視聴するのに月額を払う文化があります。
一方で日本では無料でテレビを見る文化が根強く、有料の動画配信が流行りにくい環境になっているのです。
国内外の競争環境
Netflixの競争環境は国内外でとても激しくなっています。NetflixとAmazonが2強ですが、2019年11月にはディズニーが自らのコンテンツを武器にDisney+を開始し、会員数は既に6,000万人と驚異的なスピードで成長しています。
世界のユーザー数比較
日本での競争環境
日本での競争相手はテレビ局系が運営するサービスが多く、グローバルとは違った競争環境が形成されています。