現役メガバンク行員から見た半沢直樹2【第2話】【解説】

半沢直樹

こんにちは、たこすです。

さて、盛り上がってきた半沢直樹2の第二話について、スキームの仕組みも含めて解説していきます

東京中央銀行の提案は邪道

電脳が半沢に「銀行と同じ提案が出来たのか?」という質問に「褒められた提案ではない」と返答していました。

これは、東京中央銀行が提案したスキームが敵対的買収に該当するからです。今でこそ少しずつ正当化されつつありますが、敵対的買収について銀行が全面的に支援すると世間からの反発があるのです。

敵対的買収はその名の通り、敵を支援しているようにどうしても見えてしまうため、そのような買収の資金に個人から預かっているお金を銀行が貸しているというのは心象が良くないのです。

銀行に戻る諸田

セントラル証券に出向していた諸田が東京中央銀行に声高らかに戻っていきましたが、彼は証券で何も学ばずに銀行に戻っています。三木と同様に総務や銀行の重要ではない部署に再配属されるのが普通です。

伊佐山部長の役に立って戻った形ですが、諸田の真価が問われるのは伊佐山部長が異動した後でしょう。

花からの「どの株が上がるの?」という質問

これは証券会社に勤めてなくても金融機関に勤めているとたまに聞かれる質問です笑

証券会社で上場企業の担当をしていると実際にインサイダー情報を入手することは結構あります。

明日あそこの株価が上がるだろうなぁみたいな情報もありますが、決してそれを匂わすような会話や噂も流さないように徹底されています。

もし、そんなことをしたら一発でクビです。

株を買うのは応援をするのと一緒

これは本当にそう思います。僕は中堅クラスの上場企業を担当していましたが、その会社の株主の一部はもと従業員だったりします。

株価が上がった下がっただけで考える人が大部分ですが、その会社の商品が好きだったり、取り組みが好きだったりといった理由で株を買う人もいるのです。

また、ファンになってもらうために株主優待をしている会社も沢山あります

ホワイトナイトによる新株取得

ホワイトナイトとは

まず、ホワイトナイトとは、敵対的買収を仕掛けられた際に、友好的な別会社に買収してもらう仕組みです。

ホワイトナイトの事例で有名なのは、ドンキホーテがオリジン弁当で有名なオリジン東秀に仕掛けた敵対的TOBです。

このときは、イオンがホワイトナイトになりました。現在では、オリジン東秀はイオングループの参加です。

新株発行を利用したスキーム

新株発行のスキームは下表の通りです。新株発行により、スパイラルの株式数は多くなり、電脳の支配権が一旦低下します。

理論上はこれで電脳の買収に対抗できます。しかし、ホワイトナイトも同じように30%くらいしか取得しなかった場合はこの後に買収合戦が起き、残りの株式を両社で取り合うことになります。

ホワイトナイトは業績不振で身売りの噂もあるフォックス

瀬名社長は郷田社長のことをとても尊敬していましたが、実際は経営はかなり厳しかったのでしょう。

身売りの噂が出ているところに銀行は貸さないと言ってますが、厳密にはメインバンク以外は貸さないというのが正解です。メインバンクは最後まで支えるのが使命です。

ただし、今回の貸し手は準メインの白水と郷田社長は嘘をついてました。銀行員なら一発で気付く嘘です

偽ホワイトナイトスキーム

分かりやすく今回のスキームを図で説明しますと、スパイラルのホワイトナイトであるフォックスも電脳が買収してしまうことで、持ち分が過半数になるカラクリです。

アドバイザーが客にとって不利益になることをする?

このようなことは通常ではあり得ません。アドバイザーはお客さんの利益を極大化するために尽力することが使命です。

ぼくは、客に不利益なことを提案するアドバイザーは見たことがありません

スパイラルのアドバイザーになるセントラル証券

これで完全に東京中央銀行VS東京セントラル証券の構図になりました。

今回の偽ホワイトナイト作戦は失敗しましたが、敵対的TOBは継続しています。
作中で2〜3週間でTOBが完了するペースと言っていたので、TOB成立までに新たなホワイトナイトを見つけるか、別の策(最後の「逆買収」がヒント)を講じないと東京セントラルの敗北になってしまうでしょう。

次回の東京セントラル証券の提案が楽しみです。

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