現役メガバンク行員から見た半沢直樹2【第3話】【解説】

半沢直樹

こんにちは、たこすです。

さて、前回に引き続き半沢直樹2第三話の解説です。

電脳のTOBは42%まで進む

TOBは買付価格が現在の株価より高ければ高いほど進みやすいです。

半沢が東京中央銀行が資金力を武器にしたら勝ち目がないと言ったのはこのことで、仮に東京中央銀行が追加で電脳に融資をすればいくらでもTOB価格を釣り上げることが可能になるわけです。

逆買収でフォックスをスパイラルの傘下に

もともと第二話ではスパイラルのホワイトナイトとしてフォックスが新株発行を引き受ける予定でした。

それとは逆の関係となることで逆買収になったということです。ただし、現在の株価ではフォックスの株価が高すぎるため、フォックスの株価が下がるのを待つ必要があります

新聞記事で暴落するフォックスの株価

実際にもよくある話ですが、会社の決算発表より早く新聞が企業の情報について報道することがあります。

通常は、新聞報道後会社ホームページでそれが本当なのかどうかを企業側が公表することになっています。

スパイラルが買収出来る水準まで株価が暴落したということは、事実だったということでしょう。

あっさりと電脳から見捨てられたフォックス

これは当然の話ですね。電脳にとってはスパイラルの株が必要だったからフォックスと組んだだけで、偽ホワイトナイトスキームに失敗したフォックスには利用価値がなくなったのです。

証券取引等監視委員会の立入検査

現代ではあまり起こらない事象です。

どちらかというと、彼らは不正会計をした上場企業に立入検査をするイメージが強く、このような形で証券会社に立ち入ることはまれだと思います。

証券会社にハッキングするスパイラル

銀行も証券も、顧客の大事なデータを取り扱っており、情報漏洩は信用問題にも発展するためセキュリティには十分すぎる以上にお金をかけています。

このように証券会社のシステムに侵入してハッキングするのは不可能と断言できます。

シュレッダーを復元する黒崎

シュレッダーの復元作業は銀行の支店経験者であれば誰もが経験したことがある行為です。ツイッターでもこのシーンが銀行界隈のフォロワーさんが盛り上がっていました笑。

実際には劇中のパズルみたいなものより何倍も細かい紙を手作業で復元します。ぼくも、お客さんの印鑑が付いている書類を復元する作業を手伝ったことがあります。

今度はスパイラルの株価が暴落

これは、スパイラルに対して東京セントラルが不正な助言をしていたとの報道から一時的に下がった株価です。疑いが晴れずに東京セントラル証券がスパイラルのアドバイザーが出来なくなった場合には株価はさらに暴落していたでしょう。

フォックスとスパイラルの記者会見

コペルニクスの可能性を見出した提案

劇中で半沢が紅茶を取り寄せていたシーンがありましたね。あのダンボール箱にはコペルニクスの文字が刻まれていました。

お客さんを理解するために自分で実際にそのサービスを利用するのは銀行の営業担当として絶対にやるべきです。実際に利用することで改善するための提案や、提携のアイデアが生まれることもあります。

もしかしたら、あの紅茶自体はスパイラルのシステムで検索してレコメンドされたものをコペルニクスで注文したのかもしれないですね。

マイクロデバイスCEOの3億ドルの出資

これは新たなホワイトナイトですね。3億ドルなので、約300億円が出資されることで、また電脳の持ち分が減少するかと思われますが、この記者会見で株価が上昇した後のスパイラルの推定時価総額は約3,500億円。ここに300億円が注入されても大きな減少は見込まれないでしょう。

電脳提示価格31,000円を5,000円を上回る

これは電脳にとっては痛手でしょう。もともと買収必要資金は1,500億円。すでに株価が20%提示価格を上回っている状況なので、30%の価格引き上げ、ざっと500億円は必要です。

追加融資500億円の稟議

これは普通は取締役会を下りることはないでしょう。なぜなら、すでに融資の前提条件を考えた上で決裁されている案件で、同じ案件で必要だからという理由で稟議の決裁はおりません。相当な理由づけが必要です。

大和田取締役に頭を下げる三笠副頭取

三笠副頭取は、子会社証券会社に負けては東京中央銀行の名前が地に落ちるから助けてくれと大和田にお願いしてました。

実際の副頭取はそんなこと言いません。お客さんである電脳に必要な資金だから貸すんです。そのためにお願いするような副頭取がいて欲しいとぼくは願っています。

瞬時に電脳電設の財務分析をする半沢直樹

銀行に長く勤めていると、財務分析のスキルが向上します。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書をパッと見るだけでその企業が何をしているか瞬時にわかるようになります

次世代スイッチング電源

次回のキーワードになりそうですね。電脳はこの子会社を300億円かけて買収していました。

この会社の秘密が次回明らかになることでしょう。

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