こんにちは、たこすです。
半沢直樹の第6話を解説していきます。
東京中央銀行は債権放棄を拒否
法律上は東京中央銀行に拒否権があるとの半沢のセリフ。それもそのはず、今回のタスクフォースの要請は債権放棄『検討』であって、検討の結果、債権放棄が飲めないという判断も有り得ます。
ただし、銀行も国民からのイメージを大切にしないといけない企業なので、民意も大事です。
白井議員は、圧倒的に人気の政治家なのでマスコミによる印象操作も踏まえた判断になる可能性があります。
公的資金を受けた銀行が断るのか?
これは銀行にとっては耳の痛いコメントでした。過去、メガバンクは経営が悪化した際に公的資金という形で政府から支援を受けています。加えて、一定期間の法人税優遇も受けてました。
政府からしたら債権放棄の要請を断られることは恩を仇で返されているように見えてるかもしれません。
頭取の立場を守るのが銀行の仕事
銀行が沈没してしまってはしょうがないですが、頭取を守るのが銀行の仕事ではないです。大和田は間違っています。ただ、このようにお客さんより銀行内のことを考えている人が銀行に一定数いることは事実です。
僕は、お客さんより支店長を優先する上司や先輩をたくさん見てきました。
提出した資料が改ざんされていても実は問題にはならない
仮に金融庁に提出した資料が改ざんされていたとしても、本来は全く問題にはなりません。その理由を説明します。
銀行が貸していいかどうかの与信判断をするときは、お客さんから頂いた資料を鵜呑みにすることはまずありません。
お客さんから頂いた事業計画と、計画作成の前提条件をヒアリングし、その事業計画が本当に達成しうるのかどうかをどう判断したのかが1番大事なんです。したがって、本来はお客さんからもらった資料が間違っているかどうかは論点にならないです。
もし、帝国航空からの事業計画を与信判断にそのまま使っていたら、曽根崎の与信判断は相当ずさんだと言わざるを得ません。
残り500人の従業員受け入れ先を探す東京中央銀行
これは意外に感じるかもしれませんが、銀行は再建支援で再就職先などの候補先への打診をしたり、工場の売却先を探したりもします。
メガバンクは日本中の大企業と取引があり、ネットワークが強みの一つです。このような場面でもメガバンクの強みが発揮されます。
森山のネットワークでスカイホープに打診
銀行のネットワークでどうにもならない場合、自分の持つ人脈ネットワークも有効活用することがあります。
メガバンクでは偉くなってくると、銀行内のネットワークだけでなく、高校や大学のネットワークも駆使して取引に繋げるような能力も評価基準の一つにされています。
帝国航空から担当変更の要望書
このように印鑑付きの仰々しい依頼はありませんが、お客さんから営業担当を変えてほしいとの依頼を受けることはあります。
中小企業のお客様だとオーナー社長と担当者のウマが合わなかったりして、社長が直接支店長に電話して変えてもらうことがあります。
営業担当者にとっては最大の屈辱です。
業務改善命令はどれほど重い?
業務改善命令とは
業務改善命令は、銀行法で定められている金融庁の権利です。金融庁検査を実施した結果、銀行に改善点や不備があった場合、期限つきで業務の全部または一部の停止を命令できます。
また、業務改善命令に従わない場合は、金融庁は銀行業の免許を取り上げることも出来る、強力な権利です。
業務改善命令を受けたみずほの事例
みずほは過去に業務改善命令を受けたことがあります。
2013年9月27日、金融庁はみずほ銀行に対し、暴力団構成員など反社会的勢力との取引を把握しながら2年以上、事実上放置していたとして、業務改善命令を発動してます。
立ち入り検査の結果、自動車購入者に対する信販会社オリエントコーポレーションなどを経由した提携ローンで、230件(2012年秋時点の残高、2億円超)の不正取引が発覚し、事後対応の不備も重なりこのような結果になったみたいです。
業務改善命令を受けたみずほの末路
みずほは2013年11月1日に、みずほ銀行の当時会長の塚本氏が引責辞任を発表し、減給処分を含めると50人以上の役員、OBに影響があったようです。
また、この影響もあり、メガバンクの中では1番積極的に社外取締役を積極的に登用している印象です。
これから東京中央銀行はどうなるのか
業務改善命令の内容によりますが、一定期間に改善命令を受けて銀行が何をするのかを公表しないといけません。
東京中央銀行は中野渡頭取を含む役員の誰かしらが責任を持つように結果になると思われます。